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アイテム
細菌におけるδ-アミノレブリン酸生合成に関する研究
https://doi.org/10.11501/3071695
https://doi.org/10.11501/30716955e7cad4b-732e-4075-99dc-a41a7e5cdf77
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | デフォルトアイテムタイプ_(フル)(1) | |||||||||
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公開日 | 2023-03-18 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | 細菌におけるδ-アミノレブリン酸生合成に関する研究 | |||||||||
言語 | en | |||||||||
作成者 |
村上, 克治
× 村上, 克治
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アクセス権 | ||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||
権利情報 | ||||||||||
権利情報 | Copyright(c) by Author | |||||||||
主題 | ||||||||||
主題Scheme | NDC | |||||||||
主題 | 460 | |||||||||
内容記述 | ||||||||||
内容記述 | δ-アミノレブリン酸(ALA)は、ヘム、クロロフィル、チトクロム等テトラピロール化合物の最初の前駆体であり、生物に普遍的に存在する重要なアミノ酸である。さらに選択除草剤としての用途も見いだされ農薬としても注目を集めている。この生合成は、従来グリシンとスクシニルCoAからALAシンターゼによって生合成されるShemine(C4)経路によって生合成されると考えられてきた。近年、植物においてグルタミン酸から生合成されるC5経路が発見され、大腸菌のALA生合成もC5経路によるとされてきた。しかしながら、別経路の存在の可能性も示唆されるなどより詳細な解析が求められている。本研究においては、細菌(E. coli, Xanthomonas, Propionibacterium)のALA生合成とその遺伝子レベルでの発現調節機構を解明することを目的とした。以下、本論文を要約する。 第1章では大腸菌のALA生合成機構について述べた。まず、大腸菌のALA生合成がどちらの経路によって行われているかを調べた。C5経路の活性は検出できたがShemine(C4)経路の活性は検出できなかった。大腸菌においてはALA生合成はC5経路により合成されているものと考えられる。ALA生合成に関わる遺伝子を単離するため、次に変異処理によってALA要求性変異株6株を取得した。これらの変異はすべてグルタミン酸からのALA生合成(C5経路)を欠損していた。変異を相補する遺伝子をクローニングして各変異株に対する相補性を調べたところ、これらの変異は少なくとも2種類に大別された(AlaA-, AlaB-)。 AlaA-株を相補する遺伝子(alaA)は大腸菌染色体上約4分の位置にあった。一方AlaB-株を相補する遺伝子(alaB)は約27分の位置にあった。遺伝子の欠失解析を行ったところ"不均一な"相補性を示した。さらにalaB遺伝子に隣接して存在するalaC遺伝子はAlaA-株、AlaB-株どちらも相補した。 取得した3つの遺伝子の全塩基配列を決定した。 alaA遺伝子は1278bpよりなり推定分子量4万5千の蛋白をコードしていた。この遺伝子はホモロジー検索の結果hemL遺伝子であった。従ってAlaA-株はhemLであると考えられる。 alaB遺伝子は621bpよりなり推定分子量2万3千の蛋白をコードしていた。この遺伝子知の遺伝子とのホモロジーはなく新規の遺伝子であった。この遺伝子hemMと名ずけた。 alaC遺伝子は1254bpよりなり推定分子量4万6千の蛋白をコードしていた。この遺伝子はホモロジー検索の結果意外にもhemA遺伝子と同一であった。hemA遺伝子はC5経路におけるglutamyl-tRNA reductase欠損変異株を相補できる遺伝子として単離され、そのためglutamyl-tRNA reductaseをコードするものと考えられてきた。しかしながら、本研究においてはhemAと呼ばれている遺伝子はhemL、hemMどちらの変異も相補出来ることから、glutamyl-tRN AreductaseをコードするだけでなくC5経路以外の別経路上の遺伝子としても働いているものではないかと推定された。 さらにこれら3つの遺伝子を変異株、親株に導入しALA生合成能を測定したところhemM、hemA単独で導入した変異株は親株と同程度まで回復したのに対しhemM-hemA領域を導入するとALA生合成能は数倍上昇した。hemM-hemA遺伝子は隣接して逆向きに存在しており両遺伝子間で何らかの調節機構が存在しているものと考えられた。 第2章では植物病原細菌であるXanthomonas campestris pv. phaseoliのALA生合成に関する遺伝子の単離と解析について述べた。大腸菌のhemL変異株を宿主とし相補できる遺伝子を単離した。本遺伝子の塩基配列を決定したところ、推定分子量45,043の蛋白をコードしていた。ホモロジー検索を行った結果、GSAaminomutaseと同定した。従って、Xanthomonas属においてC5経路の存在が確認できた。 第3章ではビタミンB12生産菌であるPropionibacteriumよりALA生合成に関わる遺伝子の単離と解析について述べた。大腸菌のhemL変異株を宿主とし相補できる遺伝子を単離した。本遺伝子の塩基配列を決定したところ、推定分子量45,932の蛋白をコードしていた。ホモロジー検索を行った結果、GSA aminomutaseと同定した。Propionibacterium属においてはC4経路とC5経路の共存が報告されているが、このうちC5経路の酵素の遺伝子が確認できた。 本研究において3つの細菌からC5経路上のGSA aminomutaseをcodeするhemL遺伝子を単離した。推定されるアミノ酸配列を次のFIG.5.1に示す。GSA aminomutaseはピリドキサールリン酸(PLP)を補酵素とする酵素でありその結合部位も共通して見られた。また、他のPLPを補酵素とする酵素ともその結合部位を比較した(FIG.5.2)。PLP結合部位は従来leucine、glycineに続くlysineに結合するとされていたが、Xanthomonas campestris pv. phaseoli、Propionibacterium freudenreichiiのHemLにおいてはleucineがphenylalanineに変化しており、必ずしもleucineがPLPの結合に必要でないことが明かとなった。 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
内容記述 | ||||||||||
内容記述タイプ | TableOfContents | |||||||||
内容記述 | 目次 緒言 / p1 第1章 Cloning and charcterization of genes involved in the biosynthesis of δ-aminolevilinic acid in Escherichia coli / p9 Introduction / p10 Results / p13 Discussion / p25 Conclusions / p27 Summary / p28 第2章 Cloning and characterization of the glutamate l-semialdehyde aminomutase gene from Xanthomonas campestris pv.phaseoli / p32 Introduction / p33 Materials and methods / p35 Results and discussion / p37 Summary / p45 第3章 Cloning and characterization of the gene for glutamate l-semialdehyde 2,1 aminomutase which is involved in the δ-aminolevulinic acid synthesis in Propionibacterium freudenreichii / p49 Introduction / p50 Materials and methods / p52 Results / p54 Discussion / p61 Summary / p62 第4章 総括 / p67 謝辞 / p72 関係論文 / p73 | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | eng | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_db06 | |||||||||
資源タイプ | doctoral thesis | |||||||||
出版タイプ | ||||||||||
出版タイプ | NA | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_be7fb7dd8ff6fe43 | |||||||||
ID登録 | ||||||||||
ID登録 | 10.11501/3071695 | |||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
関連名称 | 1. M. Ikemi, K. Murakami, M. Hashimoto, and Y.Murooka. Cloning and characterization of genes involved in the biosynthesis of δ-aminolevulinic acid in Escherichia coli. Gene 121, 127-132, 1992 | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
関連名称 | 2. K. Murakami, S. Korbsrisate, N. Asahara, Y. Hashimoto, and Y. Murooka. Cloning and characterization of the glutamate 1-semialdehyde aminomutase gene from Xanthomonas campestris pv. phaseoli. Appl. Microbiol. Biotechnol. in press | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
関連名称 | 3. K. Murakami, Y. Hashimoto, and Y. Murooka. Cloning and characterization of the gene for glutamate 1-semialdehyde 2,1-aminomutase which is involved in the δ-aminolevulinic acid synthesis in Propionibacterium freudenreichii. Appl. Environment. Microbiol. 59, 347-350, 1993 | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
識別子タイプ | DOI | |||||||||
関連識別子 | http://dx.doi.org/10.1016/0378-1119(92)90170-T | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
識別子タイプ | DOI | |||||||||
関連識別子 | http://dx.doi.org/10.1007/BF00242945 | |||||||||
関連情報 | ||||||||||
関連タイプ | references | |||||||||
識別子タイプ | URI | |||||||||
関連識別子 | http://aem.asm.org/content/59/1/347 | |||||||||
開始ページ | ||||||||||
開始ページ | 1 | |||||||||
書誌情報 |
p. 1 |
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学位授与番号 | ||||||||||
学位授与番号 | 甲第1164号 | |||||||||
学位名 | ||||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||||||
学位名 | ||||||||||
言語 | en | |||||||||
学位名 | Engineering | |||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||
学位授与年月日 | 1993-03-25 | |||||||||
学位授与機関 | ||||||||||
学位授与機関識別子Scheme | kakenhi | |||||||||
学位授与機関識別子 | 15401 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
学位授与機関名 | 広島大学 | |||||||||
学位授与機関 | ||||||||||
言語 | en | |||||||||
学位授与機関名 | Hiroshima University | |||||||||
旧ID | 31823 |