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  1. 広島大学の刊行物
  2. 比較論理学研究
  3. 22号

チャパ・チューキセンゲのmed dgag とma yin dgag の理論

https://doi.org/10.15027/0002040756
https://doi.org/10.15027/0002040756
ad650c50-9a65-4650-918a-d2e1a49decfa
名前 / ファイル ライセンス アクション
Ann-ResProjCent-CompStudLogic_22_5.pdf Ann-ResProjCent-CompStudLogic_22_5.pdf (255 KB)
Item type デフォルト(1)
公開日 2025-06-27
タイトル
タイトル Phywa pa chos kyi seng ge’s Theory of med dgag and ma yin dgag
言語 la
タイトル
タイトル チャパ・チューキセンゲのmed dgag とma yin dgag の理論
言語 ja
作成者 根本, 裕史

× 根本, 裕史

en NEMOTO, Hiroshi

ja 根本, 裕史

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アクセス権
アクセス権 open access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_abf2
内容記述
内容記述タイプ Abstract
内容記述 本研究は,サンプ・ネウトク僧院の第六代座主チャパ・チューキセンゲ(Phywa pa chos kyi seng ge: 1109–1169)の『中観真実真髄論』(Dbu ma de kho na nyid kyi snying po)に基づき,チベット仏教で発達したmed dgag とma yin dgag の概念を考察し,その特色を明らかにするものである.チャパはmed dgag とma yin dgag の両者を「否定されるべき対象(dgag bya)を否定することによって認識される対象」とみなし,前者を「全ての肯定的属性を切り捨てることによって認識される否定的属性」,後者を「肯定的属性と共に認識される否定的属性」として理解している.従来,これらは一般的に「非定立的否定」(non-implicative negation,Skt. prasajyapratis.edha)および「定立的否定」(implicative negation,Skt. paryud¯asa)として理解されてきたが,本論文ではmed dgag を「存在否定態」(no-thing-ness,あるいは「不在」)と訳し,ma yin dgag を「述定否定態」(not-that-ness,あるいは「準不在」)と訳し,その上でチャパによるmed dgag およびma yin dgag の解釈と,彼に先行するチベット人の解釈への批判を検討し,最後に『中観真実真髄論』(125.122.22)の訳註を提示する.
 以下,その考察内容をやや詳しく述べる.チャパの否定理論において重要なのは,彼が存在否定態と述定否定態を,否定辞の意味論とは関連づけずに,認識論的な概念として理解している点である.彼によれば,存在否定態とは否定のみによって知られる対象の属性であり,それが知られる際,いかなる肯定的要素も意識の中に残らない.一方,述定否定態は否定と肯定の両方によって知られる対象の属性であり,それが知られる際には,肯定的要素が完全に切り捨てられること(sgrub chos dor ba)ことはなく意識の中に残存する.述定否定態の範疇の中には,否定的属性と肯定的属性の組み合わせ(dgag sgrub tshogs pa)の他に,純粋な肯定的属性(sgrub pa ’ba’ zhig pa)も含まれる.実に全ての属性(x)は,概念的に知られる時には必ずそれでないもの(非x)の否定という形で知られるので「定的」である.チャパが純粋な肯定的属性(例:所作性など)を述定否定態の中に含めたのはそのような理由からである.
 チャパはこうした観点から,彼以前のチベット人が与える両概念の定義——存在否定態とは否定対象の否定に伴って他要素を投影(chos gzhan ’phen pa)しないものであり,述定否定態とは否定対象の否定に伴って他要素を投影するものである——を退ける.チャパがそのような定義を誤りとみなす理由は,存在否定態も他要素を投影することがあり得るからであり,またma yin dgagが述定否定態が他要素を投影しないこともあり得るからである.ただし,チャパの議論は,完全に彼自身の理論に立脚した批判なのではなく,言葉遊びや詭弁の要素を多分に含んだ論駁である点に注意するべきである.これは後のゲルク派僧院で発展するタクセル(rtags gsal)の問答に類似するものである.
 チャパの否定の理論は,彼の直弟子のツァンナクパ・ツォンドゥ・センゲ(Gtsang nag pa brtson’grus seng ge: 12 世紀)などに継承されたが,サキャ派のサキャ・パンディタ・クンガ・ギェルツェン(Sa skya pan.d.ita kun dga’ rgyal mtshan: 1182–1251)によって批判され,後のゲルク派(新カダム派)でもそのままの形で受容されることはなかった.
いずれにせよ,チャパが示した認識論的な存在否定態と述定否定態の概念はチベット仏教思想史の中で極めて大きな意味を持つ.後のトルポパ・シェーラプ・ギェルツェン(Dol po pa shes rab rgyal mtshan: 1292–1361)の他空説や,ツォンカパ・ロサンタクパ(Tsong kha pa blo bzang grags pa: 1357–1419)の中観哲学の理論的基盤を与えたと言える.
言語 ja
内容記述
内容記述タイプ Other
内容記述 広島大学比較論理学プロジェクト研究センター研究成果報告書(2024年度)
言語 ja
内容記述
内容記述タイプ Other
内容記述 The Annals of the Research Project Center for the Comparative Study of Logic (2024)
言語 en
出版者
出版者 広島大学比較論理学プロジェクト研究センター
言語 ja
出版者
出版者 Research Project Center for the Comparative Study of Logic, Hiroshima University
言語 en
言語
言語 eng
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
資源タイプ departmental bulletin paper
出版タイプ
出版タイプ VoR
出版タイプResource http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85
ID登録
ID登録 10.15027/0002040756
ID登録タイプ JaLC
収録物識別子
収録物識別子タイプ ISSN
収録物識別子 1880-6376
書誌情報 ja : 比較論理学研究
en : The Annals of the Research Project Center for the Comparative Study of Logic

号 22, p. 5-40, ページ数 36, 発行日 2025-03-25
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Ver.1 2025-06-24 05:41:49.915016
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